ハワイ島ヒロが発祥の地 命名は意外と安易だった
ハワイに移住した人のアイデアで作られたローカルフードの多くが、いつどこで誕生したのかはわからない。しかし、ロコモコの発祥については、明らかだ。1940年代後半にハワイ島ヒロのレストラン、リンカーングリル近くの公園で、アメリカンフットボールの練習をしていた少年が、リンカーングリルのナンシーさんに25¢コインを一枚手渡し「これで満腹になる食べ物を作ってよ」と言ったのだという。ナンシーさんは、丼にごはんを入れ、ハンバーグを盛り付け、グレイビーソースをかけ、目玉焼きをのせて少年に差し出した。
これが、ロコモコの誕生の瞬間だ。このロコモコという名前は、少年のニックネームに由来している。大胆なプレイをする少年のニックネームは、クレイジーを意味するスペイン語の“ロコ”。そのロコに響きのいい“モコ”をつけてロコモコとなったといわれている。リンカーングリルはすでにないが、近くにカフェ100という店があり、ロコモコを出す最古の店として知られている。ナンシーさんが、あり合わせの食材で作った丼もの。そんな誕生物語を知れば、ロコモコをより楽しく味わえそうだ。
サイミンを入れる丼に盛り付けられた元祖に近いロコモコは、オアフ島アラモアナセンター近くの老舗レストラン、リケリケ・ドライブインでも食べられる。
リケリケ・ドライブイン(Like Like Drive Inn)
「144号掲載」