チットチャットハワイというバッグ・ブランドのオーナーであるチトさん。すべてのバッグを手作りするクリエイターでありアーティストでもある。アメリカ人と結婚し、2002年に日本からモンタナ州に移住したチトさんは、そこで、アメリカの手作り文化と出合う。周囲にアメリカンキルトを作る人たちが多く、チトさんも自然とアメリカンキルトの制作を始めたそうだ。
最初の作品は、妊娠中に、生まれてくる娘さんのために作った、アメリカンキルトのブランケット。そしてベビー服に加え、着替えやおむつを入れるバッグも手作りしたところ、それを見た人たちから注文が来るようになったことが、彼女のバッグ作りのきっかけとなった。05年にハワイに移住。家探しの第一条件は、作品を作るために必要な膨大な量の布地を置く棚と仕事場があること。ホノルルの高台に立つこの家を訪れ壁一面に備え付けられた棚を見た瞬間に、この場所で作業をする自分がイメージできたのだとか。
家探しで重視した次の条件は、ハワイらしい自然環境のなかにあるということ。チトさんがバッグやポーチに使用する布は、彼女が大好きな自然モチーフが多い。1日の大半をミシンの前で過ごすチトさんにとって、ラナイや庭に出て植物や景色を眺める時間はとても大切。気分転換になるだけでなく、自然から作品のインスピレーションを得ることも多いからだ。
そして、料理好きのチトさんには、キッチンやダイニングエリアが広いことも重要なポイント。友人を招いてホームパーティを催すことも、チトさんが大切にしている時間だからだ。チトさんのキッチンはラナイにあり、屋根はあるけれど壁はないというユニークさ。でも、料理を作りながら、周囲の山や海を見渡したり、庭の植物の葉を切ってその上に料理を盛ったりできるのは、チトさんにとっては何物にも代え難い豊かさなのだ。
そんなチトさんの夢は、将来、どこかに人々が気軽に集える居心地のいい空間を提供することなのだとか。彼女が丁寧に豆をひいて入れてくれたコーヒーを味わっていると、温もりのある手作りアイテムが並び、おいしいコーヒーの香りがする、そんな空間の設計図が自然に思い描かれるのだった。
明るい光が差し込むリビングエリア。棚にはお酒がずらり。
ミシンで作業をしている時も、時々外の景色を見てひと休み。
家探しの決め手となったのが、壁一面に備え付けられたこの棚の存在。
ヴィンテージ好きのチトさんは、レトロなアートも大好き。
イタリア製のバースツールに合わせ、友人が作ってくれたバーカウンター。
友人が来ると、「チトカフェ」と称しおいしいコーヒーやお茶でおもてなし。
ラナイにある広いキッチンとダイニングエリアは、ホームパーティに最適の空間。
猫のミャー君とくつろぐひととき。
「チトショップ」と呼んでいる一角には、海をイメージしたウォールアートを飾って。
初めて作ったバッグもディスプレイ。
イタリアやバリ島など、旅先で見つけたバッグも創作のインスピレーションに。
人気のアロハポーチは、ウェブサイトのほかに、ワイキキのグリーンルーム・ハワイなどで販売。
チトさんお気に入りのレインドロップ(恵みの雨)バッグ。
モコモコ素材の新作フラッピーバッグ。
ポーチは全5種類。マチがあるものとないものも含めると10種類からチョイスできる。
シェラトン·ワイキキ1階のグリーンルーム・ハワイ(☎931·8908)でポーチを販売。
チト(Chito)
チットチャットハワイ
オーナー/バッグクリエイター
http://www.chitchathawaii.com
「143号掲載」