植民地時代の歴史を刻んだベトナムのソウルフード
ベトナム料理でサンドイッチといえば、バインミー。 19 世紀後半から 20世紀半ばまでフランスの植民地だったベトナム。その時代にコーヒーやチーズ、バター などとともに広がったのが、パン食の文化。当時フランス人が食べていたバゲットのサンドイッチにベトナム流のアレンジを加えたものがバインミーだ。
軽くトーストしたバゲットは、 外はカリッ、中はモチッの絶妙なバランス。バターやレバーペーストを塗ったあと、レタスやきゅうりなどの野菜とともに挟むのは、 大根とにんじんを使った紅白なます。これが大きなポイントだ。さらに、ハーブをたくみに使い、 両国の味を融合させていく。
フォーファクトリーでは、メインの具材は、ビーフ・豆腐・チキンからチョイス可能。自家製のレモングラスBBQソースでマリネしたビーフやチキンも人気 だが、カリカリに揚げた豆腐は ベジタリアンにも好評。ソース・ バーに用意されたガーリックチリソースなどで辛味を加えると、 いっそう食欲をそそる味になる。
手前から、豆腐サンドイッチ、ビーフサンドイッチ各$8.39

シンプルでやさしいベトナム人祖母のレシピ
ベトナムからの移民が多いハワイでは、おいしいベトナム料理店も多い。ここで紹介するフォーファクトリーもそのひとつ。フードコートの一店なので、気軽に楽しめるのもツーリストにはうれしいところだ。
レシピはフォーファクトリーのオーナーのひとり、ビリーの祖母であるダンによるものだ。ダンはベトナムの海に面したクイニョン市で1974年からレストランを経営していたのだという。一日1000杯ものフォーが売れていたそうだ。81年に8人の子を連れてハワイへ移住。ビリーはダンの最初の孫である。彼は祖母ダンの料理で育ってきた。彼女のレシピ、そして新鮮な食材を使うという料理に対する哲学を受け継ぎ、料理を作っている。
フォーは米粉麺を使ったスープヌードルで、ベトナムでは毎食食べられるほど生活に密着した料理である。フォーファクトリーでは9種類以上のスパイスを使い、20時間以上煮込んだスープを使っている。透き通っていてあっさりとした口当たりだが、あとで深いコクの広がりを感じるのはそのためだ。もやしやミントをたっぷりのせて、ライムやソースでアレンジしてもおいしい。毎日食べたくなる、そんなフォーにワイキキで出合えた。
シーフードフォー$10.59。+$3.29でサマーロールかスプリングロールとドリンクがセットになる。
透き通っているけど、深いコク!
辛みのあるガーリックチリサテー、ちょっとスパイシーなチリガーリック、甘みのあるみそのようなホイシンソース。
さっぱり&ボリューミー。暑い日はこれで決まり
バーミチェリは、極細の麺を差すイタリア語、ベルミチェッリの英語読み。フォーと同じ米粉麺だが、たしかに細い。そうめんのようなイメージだ。ベトナムでは「ブン」と呼ばれ、汁麺で食
べるよりもニョクマムベースのたれなどとあえて食べることが多いらしい。フォーファクトリーで人気のバーミチェリは、写真のBBQスペシャル。ビーフとチキン、そして揚げ春巻きがのっていて、なんともボリューミー。でも実は、麺の下にはたっぷりのカットレタスときゅうりが入っている。ここにオーナーのひとり、ビリーの祖母であるダンのレシピによるシグネチャーのフィッシュソースをかけて、混ぜながらいただく。甘酸っぱく、麺も冷たいのでさっぱりと食べられる。ベトナム風冷やし中華と表現できるかもしれない。BBQビーフとチキンもペロッといけるおいしさだ。さっぱりしているのに、お腹がいっぱい、栄養もいっぱい。暑いハワイにぴったりの料理といえそうだ。
毎日作る多彩なソースで好みの味にするのもいい。
プラス$3.29で生春巻きとドリンクをセットにできる。
食後にタピオカデザート$1.89はいかが?
住所: 2233 Kalakaua Ave.ロイヤル・ハワイアン・センターB館2階 パイナ・ラナイ・フードコート内
営業時間: 9時~22時 無休
「no.147掲載」「no.148掲載」「no.149掲載」