楽園リゾートの幕開け旅客宿泊ホテル開業

エントランスは意外に小さい。ワイキキの中心にありながら、ひっそりとした印象だ。ビーチ沿いに立つホテルだが、客室の半分以上はこの庭園に面している。これらの理由は、ホテル誕生時にある。ロイヤルハワイアンホテルの創業者は、マトソン商船会社の創立者ウィリアム・マトソンである。マトソン社が、サンフランシスコとホノルルを結ぶ豪華客船マロロ号の就航をきっかけに、1927年に旅客用宿泊ホテルとして建てたのが、このホテルだ。カリフォルニアからハワイまで約1週間の船旅を終えたゲストは、ホノルル港でホテル専属バンドの音楽とフラで歓迎され、ホテルへ案内された。当時のメインエントランスはビーチ側にあったという。長い船旅で海ばかり見ていたゲストは、客室の窓から見えるハワイの緑に、楽園を感じたに違いない。波音だけではなく、風に揺れる葉の音が、はっきりと聞こえたはずだ。天井も高く設計されている。狭いキャビンで過ごしたゲストたちは、開放感を味わったであろう。ホテルが誕生してから、約1世紀がたとうとしている。長旅で疲れたゲストを迎える、太平洋のピンクパレスのホスピタリティは、今でも脈々と受け継がれている。

ロイヤルハワイアンの外観太平洋のピンクパレスの愛称で親しまれるロイヤルハワイアン。ピンク色に塗られたのは、マトソン氏の娘のリクエストだった。という逸話がある。

定期観光船マトソン社のマロロ号1927年に就航したワイキキまでの定期観光船マトソン社のマロロ号。

パーティの様子開業当時のパーティの様子。専属バンドの演奏が楽園気分を演出。

開業当時のロイヤルハワイアン周辺1927年の開業当時、ホテル周辺は緑に囲まれていた。

ロイヤルハワイアンラグジュアリーコレクションリゾート(The Royal Hawaiian, a Luxury Collection Resort)
電話: 923・7311
住所: 100 N.Beretania St.
営業時間: 7時~19時 無休

「144号掲載」

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

おすすめの記事