限られた滞在時間でハワイ島のすべてを見るのは不可能。でも、セスナに乗ればハワイ島全体を一気に見ることができる。さまざまな顔を持つハワイ島を上空からチェック!
黒い台地、緑の山、そして紺碧の海が眼下に
セスナやヘリコプターなら、陸路ではアクセスできない、とっておきのハワイを見ることができる。今回搭乗したのはビッグアイランド・エア。セスナで約1時間30分かけてハワイ島を一周するサークルアイランドツアーを30年以上、催行している。
コナ空港にあるビッグアイランド・エアのオフィスにチェックイン。パイロットから航路や安全の確認があり、いよいよ出発だ。通路を挟んで左右の窓側に席が並ぶ。誰もが窓側の席に座れる配列になっている。絶景ポイントでは、円を描くように飛んでくれるので、どちら側に座っていても、見逃すことはない。英語のみだが、ハワイの歴史や地形について説明してくれるのも興味深い。
コナ空港を出発してしばらくは、青い海やコーヒーベルトを眺めながら進む。ハワイ火山国立公園のエリアになると、真っ黒な熔岩原や黒砂の海岸が眼下に見える。息をのむようなダイナミックな自然が眼下に広がっている。ヒロを過ぎたあたりから、大地は濃い緑に覆われるように。レインボー滝やアカカ滝も見える。
圧巻はハマクア・コーストの滝。カメハメハ大王が育ったとうワイメア渓谷を過ぎると、切り立った山肌に何本もの滝が流れている。神々しいといった印象だ。
ワイメアを過ぎ、コハラ・コースト上空を飛ぶ頃はツアーも終盤だ。冬季は回遊するクジラが見えることもあるとか。ハワイ島のビッグな自然をたっぷり堪能できるフライトだ。
①ハワイ島の地図を見ながら、航路やハワイ島の自然についてパイロットからレクチャーを受ける。
②セスナの前で記念撮影。搭乗前にライフジャケットなどの装着方法を教わり、いざ機内へ。
③シートは大きめ。足元が広いので手荷物も置ける。左右のバランスをとるため、搭乗前に重量測定がある。
④カイルア・コナのあたりは建物が密集。海の青さが際立って見える。
⑤キャプテン・クックが上陸したケアラケクア湾にはクルーズ船が集まっていた。
⑥2018年の熔岩流の跡。冷え固まってまだ時間が経っていないため、赤さが残っている。
⑦黒砂の海岸。押し寄せる白波と海の青、そして黒い海岸線は、まさにハワイ島という風景。
⑧大きく弧を描くヒロ湾とヒロの町。深い緑と海の青さが絶妙なコントラストだ。
⑨カメハメハ大王が育ったというワイピオ渓谷。手前に広がっているのはタロイモ畑。
⑩ハマクア・コーストの滝。長い年月をかけて絶壁となった山肌を滝が流れ落ちていく。
⑪かつては熔岩原だったワイメアあたりも、今では緑が濃い高原に。
⑫ワイコロア・リゾート。広大なゴルフコースとヒルトン・ワイコロア・ビレッジが見える。
「149号掲載」